歯科治療を受けた場合の医療費控除
医療費控除で支払った歯科治療代の一部が返金されます。
インプラント治療を含む歯科治療を信頼できる場所で安全に受けたいと考える患者さんにとって、費用が気になるのは当然のことです。 低価格のインプラント治療には、それなりの理由がある場合も少なくありません。 安全で確実なインプラント治療を選びたい場合、医療費控除を申請することで、費用の一部が還付される可能性があります。
歯科治療で医療費控除ができるもの
- インプラント治療セラミックなど自費の詰め物や被せ物
- 歯列矯正
- 自費の入れ歯
- 抜歯や歯周外科や根管治療を自費で行ったもの
- 保険診療
- 歯医者に通うための交通費(※自家用車のガソリン代・駐車費用は対象外)
医療費控除とは
医療費が10万円を超えた場合、医療費控除を申請することで、支払った所得税の一部が控除され、戻ってくる仕組みです。
1年間(1月1日から12月31日)に支払った医療費の総額が10万円を超えると、保険診療やインプラント・矯正治療などの自費診療も含め、所得税の一部が控除される可能性があります。
医療費控除の申告期間は、翌年の2月16日から3月15日までで、管轄の役所や税務署で受付けており、現在では郵送やインターネットを利用した申告も可能です。
医療費控除の対象となる金額は、実際に支払った医療費の合計から、保険金等で補填された額と10万円を差し引いた金額になります。この金額がマイナスの場合、医療費控除は適用されません。控除の上限は200万円です。
具体的な医療費控除額の計算方法は、所得税と住民税から戻ってくる金額の合計です。所得税から戻ってくる金額は、医療費控除の対象金額にあなたの税率を掛けた額で、住民税からは対象金額に0.1を掛けた額が戻ります。
きちんと医療費控除を申請するために知っておいた方がよいこと
- 最も重要な点は、医療費控除を確実に申請することです。申請を行わないと、控除を受けることはできません。
- 歯科医院やクリニックで受け取った全ての領収書は保管してください。さらに、交通費に関しては、日付、病院名、交通費の額、支払いの理由を記録しておくことが重要です。
- 美容や審美目的で行われる治療や、成人の矯正、美容整形などは医療費控除の対象外となることがあります。
(ただし、成人の矯正治療が歯周病の治療として必要である場合、歯科医からの診断書を提出すれば、税務署で控除として認められることが多いです。診断書の発行には約5,000円が必要です。)
きちんと医療費控除を申請するために注意しなければならないこと
- クレジットカードやデンタルローンで支払いを分割にしても、医療費控除を受けることが可能です。ただし、金利や手数料部分は控除の対象外です。
- 同じ生計を営む家族の場合、家族全員の医療費を一緒に申告することができます。
国税庁のホームページより
医療費控除の概要
自分自身や、同じ生計を共にする配偶者及びその他の親族の医療費を支払った場合、所得控除を受けることが可能です。これは医療費控除と称されます。
歯の治療に伴う一般的な費用が医療費控除の対象となるかの判断
- 歯科治療においては、保険適用外の自由診療や高価な材料の使用により、治療費が高額になることがあります。ただし、一般的な支出を大幅に超える特殊なケースは、医療費控除の対象外とされます。現在、金やポーセレンは歯科治療において広く使用されており、これらの材料を使用した治療は医療費控除の対象となることが多いです。
- 子供が発育段階にある際に、成長を妨げないために必要とされる不正咬合の歯列矯正は、医療費控除の対象となることがあります。これは、歯列矯正が患者の年齢や治療目的から見て必要と認められる場合に限ります。一方で、単に外見を美しくするための歯列矯正の費用は、医療費控除の対象外です。
- 治療のための通院費も医療費控除の範囲内です。特に小さなお子さんが通院する際に付添人が必要な場合、その交通費も通院費として認められます。通院の記録は、診察券を利用して日付と金額を明記しておくとよいでしょう。ただし、公共交通機関を利用した場合のみが対象で、自家用車でのガソリン代や駐車場代は医療費控除には含まれません。
歯の治療費を歯科ローンやクレジットにより支払う場合
歯科ローンは、患者が支払うべき治療費を信販会社が前払いし、患者がその金額を信販会社に分割で返済する仕組みです。このため、信販会社による前払い金額は、歯科ローン契約が成立したその年の医療費控除の対象となります。
歯科ローンを使用すると、通常、患者は直接歯科医から領収書を受け取ることがないため、医療費控除を申請する際には歯科ローンの契約書のコピーまたは信販会社の領収書が必要です。
(注)金利や手数料の部分は医療費控除の対象外ですので注意が必要です。
医療費控除を受ける場合の注意事項
- 治療が年をまたぐ場合、それぞれの年に支払った医療費は、その年ごとの医療費控除の対象になります。
- 健康保険組合などにより補填される金額がある場合、その補填された金額を医療費から差し引く必要があります。